確率の小話など2

今日は確率シリーズ第二弾!
いつかやると言っていた、「○○匹狩った時、××枚のモンスターカードを手に入れている確率」のおはなし。
前回は、「○○匹狩った時、1枚でも手に入れているかいないかの確率」のおはなしでした。出たかどうかだけ考えて、具体的な枚数は気にしていなかったわけです。
今回は、出るにしても何枚出たかというところに注目します。防具カードならまだしも、武器カードならば複数枚必要になってくる場面もありますしね! 自力で大型フライパン作りたいけどミノ3枚必要ならどんだけ狩ったらいいんだろう……などといった場面にも役立つ情報が提供できたらなと思います。
いや、無理だと思います。


さて。
5匹のウアーを狩ったとしますね。
カードが出る可能性は、0枚から5枚までの6パターンあります。大抵の人は0枚でしょう。もちろん5枚なんて(それどころか4枚だって)ROが10年続いたとしても起こらないくらいまれな現象でしょうが、確率だけで言えばゼロではありません。ゼロではないということは、計算できるということ。
順番に見ていきましょう。


・5匹狩って0枚出るとはどういうことか
5匹のうちどのウアーもカードを落としませんでした。1匹あたりの、カードを「落とさない確率」は99.98%ですから、99.98%が五回連続で選択されたわけです。
するとその確率は、99.98%を5回掛け算した、99.90004%となります。



・やったー1枚でたよー
5匹のうち1匹が0.02%を選択し、残り4匹が99.98%を選択したことになります。
するとさっきと同じように掛け算でいいのでは!

っとここで答えを書いてしまうのがあわてん坊さん。っていうか1匹ですら0.02%で出るのに5匹狩って0.019%ってそれ確率下がってるから! おかしいから!

枚数を厳密に考えるときは、「5匹のうち何匹目でカードが出るか」ということも考えなくてはなりません。
この絵だと1匹目で出たことになっていますが、2匹目で出たかもしれないし、3匹目で出たかもしれないわけです。
図中の式で求まった確率というのは、「5匹狩ったら1枚出た時の確率」のうち、「1〜5匹目のそれぞれで出る確率」が細切れで出てきた状態なのです。
何匹目で出たかを区別し、それぞれを足してやらねばなりません。今回は1〜5匹目で出る5パターンありますから、5倍した数字が求める確率になるのです。

というわけで求める確率は0.09992%!!!!



・5匹狩ったらWウアー完成したでござる
5匹のうち2匹が0.02%を選択、さらにその組み合わせは……



そろそろ、なんで前回やらないで今回に先送りしたかわかってきたでしょうか。
そうなんですめっちゃめんどいんです
これ5枚パターンまで全部図作るのとかもう無理。死ぬ。理屈はわかったでしょ? 式いっていいでしょ?
ハイ!
Combin(x,y)*0.0002^y*0.9998^(x-y)
x匹狩った時にy枚のカードを手に入れている確率はこの式で求まります! わかんないひとはおうちのひとにきいてね!
っしゃああ式できたらエクセルさんカモオオオオオオン

概要はこんなかんじー

A列は倒したモンスターの数。
B列から右はカードを手に入れた確率になります。具体的には、
B列は1枚だけ手に入れている確率。
C列は2枚だけ手に入れている確率。
D列、E列以降も同様に3枚だけ、4枚だけ…というふうになります。I列は8枚ということになりますね。0枚は前回やったので省略しました。D列から右はなんだかよくわからない表示になっていますが、これは数字が小さすぎてゼロが並びまくるので、エクセルさんが数学的にコンパクトな表示(対数表示)にしてくれているんです。余計なことを。
ちなみに全ての数字は100をかけてパーセント表示にしてあります。表の見方はだいたいおわかりでしょうか。例えば、B列の1行目のセルは「1匹倒した時に1枚だけ手に入れている確率」なのでドロップ率と同じ0.02%となりますね。
あ、そうだ。空欄ができている意味も説明しておきます。例えばC列の1行目のセル。ここのセルの意味は、「1匹倒した時に2枚だけ手に入れている確率」となってしまいます。おかしいですよね。どんなに強運でも2枚手に入れるには2匹倒さないといけませんから。というわけで、確率が定義できないので空欄としてあります。同様に3枚手に入れる確率は3匹目のところから始まらないとおかしいですし、4枚目以降も話は同じです。なので、階段状に空欄ができるわけですね。


概要はこのへんにして実際の数字を見ていきましょう。


・100匹倒したらどうなるのっと
お前のカードで地球がヤバい。

1枚だけ出てる確率は1.96%で、2枚となると0.019%。E列以降はまだゼロが並びまくるようです。


・おいィ? 1000匹倒したんだが?
9枚で良い。(謙虚)

ごめんね8枚までしか確率出してないんだ
1枚だけなら16%。そこそこですね。2枚だと1.63%。現実的になってまいりました。3枚も0.1%ですか。βのときノビ育ててたらぽぽりんc3枚でたトラウマが甦ります


・「5000匹で1枚の計算だから……」果たして。

全体的に大分伸びてきましたね。対数表示なくなりましたし。
B列は前後で数字にほぼ動きがなくなって、36.79%あたりで安定しています。これの意味するところは……?


・はやく6000匹狩る作業にもどるんだ

B列さがっとるがな……
白々しいので解説しますと、つまりこれだけ狩ると逆に1枚しか出ないのが不自然なわけです。2枚でることも珍しくない。3枚出す人もいるでしょう。
そういうところに確率を吸い取られ、たった1枚しか出ない確率というのは次第に下がっていくのです。グラフで見てみましょう。

最初はぐんぐん上がっていきます。ところが5000匹をピークに、なだらかな下降を描きます。ドロップ率0.02%から「5000匹」と直感的にいうのは、実はこの頂点のことを指していたのですね。


下剋上の10000匹
5000→6000でB列の数字は下がりましたが、C列の数字は相変わらず上がっています。このままではいつか逆転するのでは……?
その予想は正しいです。2回目の5000、すなわち10000匹のところで逆転が起こります。

見比べるだけで目がチカチカするけど我慢だ!
これ以降は2枚だけ出る確率が一番大きくなります。
10000匹狩って1枚という人が少数派になってしまうわけです。
……
オイ俺のカード運Disってんのか


・たけきC列もついにはほろびぬ
B列のピークが5000ならばC列のピークはどこなんよ。
もうだいたい予想はついているでしょうが、C列のピークは10000匹のところになります。
B列を抜き去ったと同時に自分も衰退を始めるわけですね。確率って面白!!
グラフはこうなっています

一応11000匹のところものっけておきます。

C列が下がってD列が追い上げてきました。このままだと今度はCとDの間で逆転が起こるでしょう。


・やっぱりここか15000匹
例によって15000匹がD列のピークであり、そしてC列を抜くところでもあります。


・もういいかなめんどくさい
これが8枚目までのグラフだ!

ババーン
キレイダナー


・今回のまとめ
いっぱい狩ると1枚しかでない確率はむしろ下がっていくんだよ!
そのうち2枚でる確率に追い抜かれるよ!
2枚でる確率も3枚でる確率においぬかれるよ!
ぬかれるところはちょうど5000きざみだよ!
これが「5000匹狩るごとに1枚」の正体だよ!
グラフきれいだよ!









疲れた。マジで。